October 31, 2005

みる。

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『第三の男』を久しぶりにみる。

キャロル・リード監督の代表作で、映画の教科書とまで言われる作品です。
第二次世界大戦後の東西冷戦を描きつつ、
廃墟になったウィーンを舞台に繰り広げられるサスペンスです。
このパッケージデザインはハラハラさせるものがありますが、
当初、オーソン・ウェルズは出演予定ではなかったとか。

以下、ネタバレになるかもしれないのでご注意を。。。

暗闇の中から現れる、オーソン・ウェルズの
いたずらをして見つかってしまった時のような顔が
とても魅力的です。
キャロル・リードがウェルズに出演依頼をした理由に頷けます。
この作品に流れる悪人の論理には思わず納得させられてしまいます。

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October 08, 2005

見る。

 久しぶりにエルンスト・ルビッチの『街角 桃色の店』を見ました。
 無条件で幸福な気分になれる作品。
 クリスマスの雪のシーンのロマンチックさといったら!
 ラストは何度見ても泣いてしまいます。

 無人島に持っていきたい(あまりにもベタな例えですが)映画
 を考えたときに、真っ先に思い浮かぶのがルビッチの作品です。
 洗練されたコメディのセンスと視線の交差する機微だけで
 細やかな心理描写を描く。
 あの感覚はふたつとないものでしょう。
 そういった、優雅で粋な映像表現は「ルビッチ・タッチ」と呼ばれ、
 敬意を表されています。
 ルビッチ作品に登場する洒落た会話術(?)を
 身につけてゆきたいものです。

 最近は少しずつDVD化されてきていて嬉しい限り。

 ninotchka
 『ニノチカ』は、グレタ・ガルボ生誕100年を記念して
 DVD化されたルビッチ作品。

 『生活の設計』は10月25日に発売予定です。
 どちらの作品も素晴らしいので、悩みどころです。
 嬉しい悲鳴。
 二本とも買ってしまおうかなあ(笑)。

 少しずつ、揃えてゆきたいです。

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October 03, 2005

見る。

 天気がいいのに何もする気力が起きないので、

 fubaki

 『椿三十郎』(監督 黒沢明/東宝)を見る。

 言わずと知れた『用心棒』の続編として作られた作品です。
 山本周五郎さんの『日日平安』を下敷きにつくられています。
 『日日平安』の方はもっとのんびりした雰囲気です。
 映画の入江たか子のシーンをもっと引き伸ばしたような感じ。
 あまり説明になっていませんが……。

 『椿三十郎』は何も考えずに楽しめる快作です。
 単純な構成に立ちまくっているキャラクターが凄いです。
 三船敏郎の魅力が堪能できます。

 三船を見ると必ずセットで思い出してしまうのが、
 うしおそうじさん。
 うしおそうじさんの特集番組でインタビューされていたとき、
 自分のことを聞かれているのにもかかわらず、
 何故かうしおさんが三船について語りまくったのが感動的でした。
 詳しい内容は忘れてしまったのですが、
 うしおさんが徴兵されたとき、同じ宿舎(?)に三船がいて、
 物凄く格好良かったとか、
 新人が古参の兵に闇夜で姿が見えず挨拶が出来なかったとき、
 新人がひどい目(酷く殴られたりするらしいです)にあいそうになったのを
 三船が庇い、自分の階級章を引きちぎって、古参に向かって
 「人間と人間で話しようじゃねえか」(痺れる!)
 と言ったということなどを熱く語っていたことを思い出します。

 うしおさんも三船敏郎さんも死んでしまったんだなぁ。

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August 12, 2005

合掌。

 映画監督の石井輝男さんがお亡くなりになりました。
 時の流れは止められないのですね。
 残念です。

 大乱歩こと、江戸川乱歩の『パノラマ島奇談』『孤島の鬼』
 をベースとして映画化した『恐怖奇形人間』が、
 十数年前にビデオ化が決定して流れた時の
 悲喜こもごもは今も脳裏に焼きついております。

 網走シリーズなど、石井輝男映画の常連だった
 由利徹さんも著書『由利徹が行く』で思い出を話をなさっております。

『殺し屋人別帳』(1970)だったかなあ。京都の東映だよ。十二月の初め頃で、俺と大泉晃は女の囚人役なんだよ、奴隷船に乗っけられてね。途中で、こいつらいらないから落っことしちゃえってなってね。女のくせに胸毛あったりしてね(笑)。俺と大泉、海の中に放り投げられる。

 石井輝男さんの作品には、由利さん、大泉さんの女装が登場します。
 それも、男とまるわかりなのに丁寧に由利さん、大泉さんの台詞に
 女性の声で吹き替えしてあったりして。。。
 凄く面白いのですが、なぜここまでこだわったのでしょうか?
 今でも不思議に思っていることの一つです。

 ご冥福をお祈りいたします。

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May 19, 2005

見る。

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ペイネ 愛の世界旅行を鑑賞。

 「恋人たち」の画で有名なレイモン・ペイネのキャラクター。
 おかっぱ頭でシャッポにスーツ、リボンのタイの男の子と
 ミニスカートのワンピースが印象的な女の子の
 バレンチノとバレンチナのカップルが世界を旅する話。

 オープニングの戦争、飢餓、核実験の中を駆け抜けてゆく
 恋人達のシルエットが印象的です。
 細かいところまで丁寧に作られていて、
 アッという人が登場したり、
 ちょっとした風刺も効いています。

 オススメは、最初に本編を見てから
 付録の解説つきで本編を見ること。
 時代背景や、世界の有名人の解説、観光案内風等等で
 違った楽しみ方ができますよ。

 ペイネの画は個人的にとてもいい思い出のある作品です。
 見ているだけで、幸せになれます。
 軽井沢にある「ペイネ美術館」は建築家アントニン・レーモンドが、
 建てた「軽井沢・夏の家」と呼ばれるアトリエ兼別荘を移築したものだそうです。
 一度行ってみたいと思っています。

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May 14, 2005

見る。

 今日は『十三人の刺客』(監督・工藤栄一)をみました。

 ストーリーは、

 老中の土井大炊頭利位は、将軍の弟であることを笠にきた粗暴な明石藩主が次期老中に取り立てられるのを阻止するために、十二人の刺客を送る。十二人の刺客は、十三人になり、知恵を絞り、明石五十五万石の大名行列約六十名と死闘を繰り広げる。

 というもの。

 旗本の次男坊、三男坊って結構肩身の狭い思いをしているようだし、
 大名の次男、三男も養子先が決まらなかったらぼんやり過ごしたりしていたらしい。
 将軍家に生まれたら、参勤交代などがなかったら、碁を打ったりの生活。
 うらやましいような、うらやましくないような。
 貧乏御家人の次男三男は厳しいですね。

 『十三人の刺客』での敵役は将軍の弟。
 この立場だと、明石五十五万石には跡取りがいなかったか、
 いたとした場合だったら、正式な嫡子は隠居させられて迎えられたということでしょう。
 所謂、アウェイでの生活。
 実際にそのような立場の人で威張れる人っているのかな?と思いました。
 
 しかし、いました威張ってる人。
 それは、徳川宗尹。
 徳川吉宗の三男として生まれました。

 でも、この人は「アウェイ」ではなくて、吉宗に一ツ橋家という家をつくってもらった人。
 本来は、碁を打って、余生を過ごしているだけでよかった人。
 しかし、実際は物凄く我が強かったらしい、

 「自分は三男に生まれたけれども、外の兄達は二人とも赤坂の屋敷で生まれたのに、自分は御本丸で生まれた──。(略)即ち宗尹一人が将軍になってから生まれた子供なので、そのことが始終腹にあったらしい。だから天下の跡目は自分が継ぐべき筈であるが、惣領に生まれなかった為に、それも出来なかった(略)」鳶魚江戸ばなし〈4〉徳川の家督争い

 と、いい続け、ついに孫の家斉を将軍の座に据えることに成功するのです。
 まあ、宗尹の死後なんですけどね。

 かなり強烈な個性の人だったようですし、
 子孫を将軍にするためにあくどい事をしたかもしれませんね。
 その辺を調べてみたら、恐面白いかもしれません。

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November 12, 2004

見る。

 『大日本コソ泥伝』(1964・春原政久)を見る。
 
 何度見てもおもしろいなあ。

 日本中の泥棒が石川二十六右衛門の襲名を賭けて、
 豊臣秀吉の末裔徳兵衛氏の持つ千成ダイヤを盗み出そうとする
 コメディ。
 個人的に好きなのが、
 おらがのズロ吉(由利徹)・んだの金六(佐山俊二)チーム(?)。
 ふたりは徳兵衛氏の孫を誘拐してその身代金として
 千成ダイヤを奪おうとたくらみます。
 しかし、ふたりの構想とは裏腹に…。
 オー・ヘンリーの「赤い酋長の身の代金」を彷彿とさせます。
 ほとんどベタのオンパレードですが、
 それでもきっちり笑わせてくれるのがふたりの凄いところ。

 『由利徹が行く』(白水社・高平哲郎)の中で由利さんが、
 「やっぱテンポあってねえ。春原さんて面白い人でね、
 関東関西の喜劇人が入り混じって撮ったんだから。
 全員、持ちネタばっかりだから、ギャグは全部役者なんだよ。
 撮影やってても、あの人の場合、
 どれがテストでどれが本番なのかわかんないんだよ。(略)」
 とおっしゃられている。

 こんな奇跡のようなことが本当にあったんだから
 凄いです。

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June 14, 2004

酔う。

新東宝の『警察官パトロール』をみる。
みどころは最初から最後まで由利徹さん。
劇中で由利徹さんが、猿回しの猿の演技を後輩に教えるシーンがある。
秀逸!!
芸人が何の気なしに猿の物まねをやることが多々あるけど、
結構な割合で、猿ではなくゴリラになっているような気がする(あくまで私見です)。
劇中で由利徹さんは最初に後輩に「足はこう」と言って、足を内股にする事を教える。
不思議~!たったそれだけなのに、猿に見える!感動!
そう、多分猿のものまねやってゴリラに見える人って足ががに股なんだよ~。
この映画はこのシーンだけでもみる価値ありと思った瞬間。
由利徹さんに乾杯!

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